2025年お盆渋滞は“ふたコブ型”? 今夏の渋滞回避法を予報士に直撃!
お盆の渋滞ピークは8月9日と13日予報!移動日のねらい目は?NEXCO東日本において高速道路の渋滞を予測し、それをアピールするのが渋滞予報士です。NEXCO東日本では、関東をはじめ新潟、東北、北海道というエリアごとに渋滞予報士が存在しており、それぞれのエリアの高速道路の渋滞を予報しています。ちなみに、NEXCO中日本や西日本でも、それぞれ「高速道路ドライブアドバイザー」「渋滞予測士」の名称で活動しています。
そんな渋滞予報士から、今年も夏休みのお盆の時期の渋滞の予報が7月中旬に発表されました。その内容を、NEXCO東日本に4人いる渋滞予報士の一人、関東エリア担当の上野渉(わたる)さんに解説していただきました。また、渋滞に遭遇してしまったときのドライバーとしてのとるべき行動や、渋滞に関する素朴な疑問もぶつけてみました。
2024年夏は台風の影響で渋滞回数が少なかった
気になる2025年の渋滞予測は…?
――2025年夏(8月7日~17日)は、どのような予測を立てられていますか?
昨年(2024年)は、台風の影響を受けており、渋滞回数が少なかったため、関東支社(エリア)では、今年は10㎞以上の渋滞回数は増加する見込みです。昨年が135回だったのに対して、今年は148回を予測しています。下りは、午前中を中心に発生し、ピークは8月9日(土)と13日(水)の2回。最大の渋滞は9日(土)朝8時の東北道矢板北PA付近を先頭に最大40㎞となります。上りは夕方から夜を中心に渋滞が発生します。ピークは8月11日(月)と16日(土)の2回。最大の渋滞は16日(土)の関越道坂戸西SIC付近を先頭に最大40㎞を予測します。
2025年夏の予測は難しい…!
今年ならではの事情とは
――2025年夏ならではの事情や特徴はありますか?
今年のお盆期間は“ふたコブ型”が特徴です。これは、お盆期間が、山の日(11日)を含む3連休の「前半」と、一般的なお盆休みの「後半」の二つに分かれ、その間に平日が1日挟まるという、これまでにない曜日配列になっています。そのため、予測の難しい年となっています。大きなイベントとしては、8月9日から11日にかけて、茨城県ひたちなか市で大規模な音楽イベント『Lucky fes』が開催されています。これも渋滞予測に考慮しています。
――そんな2025年のお盆の渋滞対策としては、どうすればよいのでしょうか?
お盆の中日が狙い目です。ふたコブの間の日は、平日ですので交通量が少ないと予測しています。休んでいる人が多いので、業務での交通も減るはずです。ですから、この中日となる平日の12日に移動を合わせることを推奨します。
お盆の渋滞シーズン、渋滞が激しいのは
「行き」と「帰り」でどっち?
――一般論として、お盆の渋滞シーズン、渋滞が「行き」と「帰り」で最も酷くなるのは、それぞれ、どの日や時間帯で渋滞が多くなるのでしょうか?
渋滞のピークは、年や場所、天候によって影響を受けるため、毎年、変化しています。傾向としては、連休の初日や最終日の前日に多いのですけれど、必ずしもそうとは限らないのです。そのため、事前に毎年の渋滞予測を核にすることが重要となります。渋滞の上りと下りは、一般的に上りの渋滞のほうがひどくなります。これは、下りは目的地が異なるため時間が分散しやすいですが、上りは都心部を目的地とする車が特定の時刻に集中しやすいからです。
なるべく避けたい交通渋滞
それでも、巻き込まれてしまったら…
――渋滞を避けるには、どのようにすればよいのでしょうか?
「最も有効なことは、予測された混雑する時間をずらして利用することです。弊社のお客様向けウェブサイト『ドラぷら』では、目的地までの所要時間を確認することができます。この所要時間には、出発時間をセットすることで、渋滞の発生も加味された所要時間が表示されます。それを見て、上手に、混雑を避ける出発時間やルートを確認してください。
――ちなみに渋滞は追い越し車線から発生するというのは本当ですか?
渋滞が始まる直前で言えば正解です。早く先に行こうというクルマが追い越し車線に集まってくるため、渋滞が始まることが多いようです。追い越し車線が混み始めたら、前が詰まっているサインと見ていいでしょう。
――実際に渋滞に出くわしてしまった場合、どのような行動をとるのが適切でしょうか?
基本的に、渋滞にはまってしまえば、どの車線を走っても、所要時間に大差はありません。そのため、適切な車間距離を保って現在の走行レーンを維持することを推奨しています。走行レーンを頻繁に変更すると、変更先の他車両にブレーキを踏ませてしまうことになり、渋滞を長引かせる可能性があります。場所は限られますが、同乗者がいた場合、『ドラぷら』で、所要時間を検索して、迂回ルートを検討することも有効です。ただし、下道に降りるのは、一概にはおすすめできません。なぜなら、高速道路が混んでいるときは、たいていの場合、並行する一般道も同じくらい混雑していることが多いです。事故による通行止め等で、『高速道路を降りてください』といった案内が出ている場合を除き、むやみに一般道に降りる必要はありません。また、サービスエリアで休憩をとって時間をずらすことも有効です。休憩をとって渋滞のピークの時間をずらすことで、混雑時間帯への突入を避けることができます。
――ちなみに適切な車間距離とは、どれくらいを指すのでしょうか?
NEXCO東日本では、車間を時間で測ることを推奨しています。混雑しているときは、前のクルマとの間に2秒の時間を取りましょう。2秒という時間は、前のクルマが急ブレーキを踏んでも、後ろのクルマのドライバーが反応できる時間となるためです。適切な車間距離は、接触事故防止と渋滞防止の双方に効果があります。
少しでも渋滞を緩和させるために
ドライバーに求めたいことは?
――少しでも渋滞を緩和させるために、ドライバーに求めたいことは何ですか?
渋滞が発生しやすい場所があります。下り坂から上り坂に変わるサグと呼ばれる場所や、トンネルの入り口、ジャンクションやインターチェンジの合流地点です。そうした場所で、最初のクルマが速度を落とすと、後ろのクルマがブレーキを踏むことで、さらに速度が落ち、その結果、その後ろもブレーキを踏んで、もっと遅くなってゆくことで渋滞が発生します。そのため、渋滞が発生しやすいポイントを意識して、速度を落とさないように走ることが重要です。渋滞予報士の仕事は、渋滞を減らすことが目的です。1分1秒でも渋滞が少なくなることを目指しています。ぜひとも弊社の『ドラぷら』にある『渋滞予報士による渋滞予報ガイド』などを活用して、渋滞を回避してほしいと願っています。
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